金融機関からの大量の不動産鑑定需要が生じた

2011.10.07

不動産鑑定士の側にも、プロの不動産業者を論破するだけの理論武装も迫力もない。理論値を出しても、不動産業者に「その値段で売買してみろ」といわれると、ギャフンとなってしまう。したがって、売買時に不動産鑑定書が必要なのは、利害関係のない第三者による判定を要する、公共不動産の売買時に過ぎなかった。それに反し、金融機関が借入希望者に対して不動産を担保とした融資を行なう際には、当事者の貸主も借主も不動産価格については素人に近い。逆に、いずれか一方が不動産について知識があると、不公平になる恐れがある。そこで、中立の第三者の評価が必要となってきた。法人だけでなく、個人も住宅ローンなどの借金をすることがあたりまえになってきたという背景もあった。金融機関からの大量の不動産鑑定需要が生じたのは、昭和四〇(一九六五)〜五〇(七五)年頃からだ。そこで、昭和五五(一九八〇)年設立の三友システムは、金融機関のみを顧客として、この新しい需要に対応することで業績を伸ばしてきたわけだ。この鑑定評価を行なうのが不動産鑑定業、そこに従事しているのが不動産鑑定士ということになる。

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