北アメリカ大平原に暮らすネイティブ・アメリカンの円錐形のテント「ティピ」は、じつに機能的にできている。骨組みは三本から四本の基本柱と数十本の支柱を円錐形に組み、その円錐を後方に少しだけ倒した構造でつくられている。少しだけ倒しているのは、後方(西方)から吹いてくる強風に耐えるためである。頂点で交差された支柱は縄で束ね、縄の端を円錐の内部に垂らし、室内の中央に打ち込まれた杭にしばり付ける。これも強風に対する備えである。ティピの天幕にはバッファロの皮が使われる。なめした皮を半円形に縫い、後方から骨組みに服を纏わせるように掛け、入り口の上部をピンで留めている。天幕地の裾は杭で固定して風に対処している。円錐型のテントでは、煙の問題が深刻である。内部の炉で焚いた煙が外部に逃げやすいように、ティピは円錐上部に換気口を設け、さらにその周りに襟のように換気幕を付けている。風向きにより換気幕を張る角度を変えることで、室内の煙が換気口から外に出ていくような対流をつくりだしている。このシステムにより円錐型天幕の煙の問題を解決している。
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